多くの経営者が、事業がうまくいかないとき、「自分に甘かった」「だらしなかった」と振り返ります。
では、この「だらしなさ」はどこから来るのでしょうか?
単なる性格の問題ではありません。
脳機能の低下が、間違いなく「だらしなさ」を引き起こしているのです。
そして、この因果関係を理解せず放置することが、取り返しのつかない経済損失につながっていきます。
◆ 脳機能低下とだらしなさのメカニズム
脳には、人間の行動をコントロールする重要な領域があります。
それが前頭前野です。
前頭前野は、
- 意志力
- 自己制御
- 計画性
- 判断力 などを司る、まさに「人間らしさ」を決める脳の中枢機能です。
この前頭前野は、
- 慢性的な睡眠不足
- ストレス過多
- 栄養バランスの崩壊
- 運動不足 などによって、機能が簡単に低下することが分かっています。
そして、前頭前野が機能低下すると──
- 面倒なことを先送りにする
- 自己管理ができなくなる
- 楽な誘惑に負けやすくなる
- 計画通りに動けない
- 小さな違和感を放置する
つまり、「だらしない」行動パターンが強制的に発動されるのです。
本人の意思とは無関係に、脳の物理的な問題として「だらしなさ」が発生している。
これが、経営における深刻なリスクなのです。
◆ 経営現場で起きる「だらしなさ」の具体例
脳機能が低下した経営者の周りでは、様々なマイナスの現象が現れます。
- 売上集計や原価計算を後回しにする
- 会議の準備を怠り、その場しのぎの発言が増える
- 重要な顧客対応をつい後手に回す
- 勢いで新規事業を始め、管理しきれず失敗する
- ルールを決めても守れない
これらはすべて、「一時的なミス」ではなく、
脳機能低下によって自己制御が失われた結果と言えます。
しかも厄介なことに、本人はその自覚がないまま、
「やる気が出ない」「モチベーションが続かない」などと原因を外部に求めがちになります。
問題は「本人の性格」ではありません。
脳の問題なのです。
◆ 生死に直結する環境では、だらしなさは許されない
軍事の世界では、この「だらしなさ」が直接、生死に関わる重大なリスクになります。
そのため、軍隊では徹底的に規律が重視され、
- 些細な遅刻
- 服装の乱れ
- 命令違反 といった“小さなだらしなさ”すらも厳しく指導されます。
これは単なる厳格さを求める文化ではありません。
「脳機能低下が致命的な判断ミスを招く」ことを前提に、
脳を常に高い自己制御状態に保つための環境設計なのです。
ビジネスの世界でも同じです。
- 数字管理のミス
- 顧客対応の遅れ
- 意思決定の先延ばし
こうしただらしなさの積み重ねが、やがて会社の命取りになります。
経営とは、緩やかな戦争です。
生死が即座に決まらないだけで、時間差で同じような淘汰が起きています。
だからこそ、自己制御力を維持する仕組みが、経営にも不可欠なのです。
◆ 経済的損失はどこから始まるか?
この「だらしなさ」は、最初は小さな綻びにしか見えません。
しかし、時間の経過とともに様々なマイナス現象を引き寄せます。
- 小さな機会損失が累積する
- 重要な資金繰りをミスする
- チームの規律が緩む
- 信用を失い、受注が減る
といったかたちで、取り返しのつかない損失へと発展していきます。
たった一人の脳機能の低下が、
やがて会社全体の「収益低下」「資金難」「組織崩壊」につながる。
これが、経営の怖い現実です。
◆ だらしなさを防ぐ「脳のメンテナンス」が最優先
経営において、だらしなさを防ぐためには、
モチベーションを高めることでも、根性を鍛えることでもありません。
まず、脳機能を正常に保つことが最優先です。
私が生活で意識していることを上げると、
- 毎日7時間以上の睡眠を確保する(22時には寝る)
- 出勤前の筋トレ1時間、有酸素運動30分、コールドシャワー
- 食事から極端な糖質過多を排除する
- 常にタスクを細分化し、脳に負荷をかけすぎない
- デジタル情報の洪水から一定時間離れる(デジタルデトックス)
これらのように生活習慣を見直し、睡眠・食事・運動の管理を徹底することで、
自己制御力が回復し、だらしない行動パターンを抜け出すことができると考えています。
【まとめ】脳機能を守ることが、経営と人生を守る
ビジネスの現場は、規律を失った者から脱落していきます。
だらしなさは、個人の性格ではなく、脳のコンディションの問題です。
成功する経営者たちは、
意志の強さではなく、脳機能を戦略的に守る技術を持っている。
あなたも、自らの脳を守り、自己制御を取り戻すことで、
ビジネスの世界で長く勝ち続けることができるでしょう。