トランプショックによるS&P500の急落…。ついに来ました。暴落は投資家にとって恐怖の対象と捉えられています。
でも、もしあなたが毎月コツコツと積み立てている投資家なら、暴落は必ずしも「悪」ではありません。
むしろ「将来のリターンを押し上げる味方」になる可能性もあるのです。
過去数十年の間、度重なる暴落を乗り越えて常に最高値を更新し続けてきた投資のド定番指数がS&P500。

アメリカの代表企業500社が集結しセクターもテック・金融・医療・消費財・エネルギーなどバランスが良い。 つまり、「これ1本でアメリカ経済にまるっと投資している」のとほぼ同じ。私自身もポートフォリオの多くがこのS&P500です。
さて、新NISAがスタートして2年目です。もしS&P500に積立投資していた場合、2年目に50%の暴落が起こったとしても本当に回復するのか?を見ていきましょう。
■ シミュレーションの前提
項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | S&P500連動インデックス |
積立金額 | 毎月5万円 |
積立期間 | 10年間(120ヶ月) |
想定リターン | 年率5%(複利) |
暴落シナリオ | 2年目末に指数が50%下落、その後5%で回復継続 |
シミュレーションの前提条件は、過去の市場暴落とその後の回復を参考にしています。具体的には、リーマンショック(2008年)とコロナショック(2020年)を元にしており、以下のような傾向に基づいています。
■ 過去の傾向と参考にしたデータ
- リーマンショック(2008年)
- 暴落期間:2007年10月から2009年3月まで、S&P500は最大で57%の下落を記録。
- 回復期間:その後、2009年から2020年までの約10年間で、S&P500は年率約7%の回復を見せました。特に回復が顕著だったのは、暴落から2年程度後の2010年からのリバウンドです。
- コロナショック(2020年)
- 暴落期間:2020年2月から3月にかけて、世界的なパンデミックが引き起こした経済不安により、S&P500は約34%の下落を記録しました。
- 回復期間:コロナショック後、2020年の終わりには急速に回復し、その後の年率5%から10%程度の成長が続いています。特にコロナショックからわずか3ヶ月後には、暴落前の水準を回復し、2021年にはさらなる上昇を見せました。
■ 実際の評価額の推移グラフ(暴落あり vs 暴落なし)
以下のグラフをご覧ください。分かりやすさ重視の簡易なものです。
- 青線:暴落なし(毎年5%成長)
- 赤線:暴落あり(2年目に50%下落後、その後毎年5%回復)
※どちらも毎年60万円(月5万円)を積み立て続けたケースです。

■ シミュレーション結果
暴落なし | 暴落あり | |
---|---|---|
投資総額 | 600万円 | 600万円 |
10年後の評価額 | 約7,546,734円 | 約7,059,175円 |
損益 | +1,546,734円 | +1,059,175円 |
注目すべきは指数が50%暴落後、元の水準まで戻らず、暴落なしの場合に比べ半分以下の水準だったとしても、10年後には100万円以上の利益が出ているということです。暴落直後は積立元本120万円に対し評価額が90万円と大きく元本割れします。しかし積立から6年後には利益が出始め、10年後まで積立を継続すれば、年率平均4%以上までリターンが回復します。
たとえ50%暴落しても、積立を止めなければ必ず利益が出るという過去の傾向を今一度認識し、暴落中のでも慌てず淡々と積立て続けましょう。
■ なぜ暴落しても回復できるのか?
これは「ドルコスト平均法」の力です。
価格が下がった暴落時期にも積み立てを続けたことで、安くたくさんの口数を買えたのです。
その後の価格回復によって、保有口数が効いてリターンが大きくなった、というわけです。
■ 暴落は「敵」ではなく「チャンス」
投資の世界では、よくこう言われます
株価が安くなったときこそ、将来の利益を仕込むチャンス
暴落時に売ってしまえば損失は確定しますが、積立投資家は「下がっているときにも淡々と買い続ける」ことで、将来のリターンの「仕込み」ができるのです。
■ 投資家として大切な心構え
投資は感情の戦いでもあります。
暴落時、「やっぱりやめようかな」と思ったその瞬間こそが、最大の分かれ道です。
今回のシミュレーションが伝えているのは、
✓暴落しても慌てない
✓積立を続ける
✓市場は時間をかけて回復する
この3つのシンプルなルールです。
■ まとめ:積立投資は「続けた人」が勝つ
- S&P500が50%暴落しても、積立をやめなければ回復する
- むしろ暴落中に積み立てることで、回復期に利益が伸びる
- 感情ではなく「ルール」で投資を続けよう